コトノハ歳時記

会期:2010年1月30日(土)~2月3日(水)
会場:上野の森美術館(東京)

「生きる」をテーマに全国選抜作家の
短歌、俳句、川柳、詩などを展示

全国から選抜された152名の作家による「生きる」をテーマにした文芸作品(短歌・俳句・詩・川柳)を通じ、日本の伝統「言葉の芸術」の推進と、日本語の美しさを継承することを目的とした本展を東京・台東区にある上野の森美術館にて開催しました。

上野の森美術館において初の文芸展となる本展は、文化芸術を広く捉え、推進する初の企画として開催前から注目を集めており、ラジオ告知も手伝って一般の来場者をはじめ多くの文芸ファンが詰め掛けました。

初日には、記念イベントとして上野の森美術館2階の特設会場にて、国民的アナウンサー鈴木健二氏による講演会「言葉への気くばり」を開催。言葉を見つけるためには外を歩くのではなく、「自分の心の中にあるもの」を見つけるべきだということ、言葉は壮大な風景や世紀の瞬間の中では、時に「無力」でもあること、そして何より、言葉こそが自分の「心」であることなど、日本の名場面、昭和の暮らしの営みを最上の日本語で綴られてきた鈴木氏が語るエピソードはどれも、とても含蓄のあるもので、たった一時間のうちに、言葉を作り、発するためのヒントばかりか、人間としての生きるヒントまでもお話しいただきました。

会場内には、ニッポン放送のラジオ番組「コ・ト・ノ・ハ歳時記」で放送された作品を含む短歌、俳句、詩、川柳等、「生きる」をテーマにした「言葉の芸術」が紹介され、全国152名の作家による秀作が来場者を迎えました。若い方から外国の方まで幅広い層のお客様が思い思いに作品を楽しむ姿が見られ、中には作品を前に涙を流す人の姿もありました。
竹林を模したあかり、会場中央部に設置されたスクリーンに小鳥のさえずり、小川のせせらぎなど澄んだ自然の音色と共に映し出される日本の四季折々の風景と、日本人が生き、文化を育んできた風土(日本の自然)をイメージした装飾も好評で、美術館という「視覚」の空間で鑑賞する言葉の芸術作品は、50音の旋律となって多くの方の心に響きました。

《ラジオ放送》
パーソナリティーに徳光和夫、俳人の黛まどかを迎え、番組内で短歌、俳句、川柳、詩などの作品を紹介。平日のひとときを珠玉の「言葉(ウタ)」でお楽しみいただきました。
【放送局】ニッポン放送(AMラジオ 1242KHz)※関東地区限定
【番組名】コ・ト・ノ・ハ歳時記
【放送日】2009年11月9日(月)~2010年2月9日(火)
【放送時間】毎週月曜日~金曜日 18:35~18:45

《書籍》
上野の森美術館での展覧会『コ・ト・ノ・ハ歳時記』を記念して、言葉を視覚的にも楽しんでいただける書籍を発刊しました。