One World -Japanese Art Charity Exhibition in BARCELONA-

会期:2022年6月17日~6月20日
会場:サン・パウ病院内 Espacio 1902, salas 1 y 2 pl.-1 (スペイン・バルセロナ)

安土桃山時代、日本人として初めて公式にヨーロッパへ派遣され、スペインのマドリードで時の国王フェリペ2世に謁見した天正遣欧少年使節。彼らが1582(天正10)年に航海に出てから2022年で440年を迎えます。日本とスペインには深くて長い文化交流の歴史がありました。
19世紀、日本は1888年のバルセロナ万博に出展。20世紀初頭にかけてムーブメントを起こす「ジャポニスム」がこの万博によってスペインで広く知られる契機となりました。やがて日本の絵画や漆器に描かれた芸術的な表現は、パブロ・ピカソやジョアン・ミロたち同地の芸術家をも魅了します。スペインを代表する建築家で、2022年に生誕170年を迎えるアントニ・ガウディも万博に足繁く通った事が知られており、その時に見た日本の表現を自身の建築に取り入れたとする説もあります。現代でこそガウディと彼の建築は著名ですが、当時のスペインではガウディを凌ぐほど、その才能を評価された建築家がいました。フランスで起こったアール・ヌーヴォーに類似するカタルーニャ地方独自のモダンな芸術様式「モデルニスモ」を牽引した、リュイス・ドメネク・イ・ムンタネールです。
生徒と教授の関係でガウディも師事したドメネクの華麗な作品には、ユネスコの世界文化遺産に登録されているカタルーニャ音楽堂やサン・パウ病院があります。ドメネクは芸術が病に与える影響を信じ、サン・パウ病院において、太陽光と新鮮な空気を取り込んだ明るい室内や、院内に植物を配するとともに、装飾的なデザインによって病人を癒やそうと考えました。新型コロナウイルスが蔓延し、社会的、文化的にも抑制を余儀なくされる昨今、国際的な観光都市バルセロナのサン・パウ病院を舞台に、「芸術には人を癒やす力がある」の言葉を旗印にしたチャリティー版画展「One World -Japanese Art Charity Exhibition in BARCELONA-」を開催する運びとなりました。
日本とバルセロナを結ぶ本展が人々に癒やしと活力を与え、ドメネクの言葉を証明する機会となるよう尽力してまいります。