「第五回 藝展」 開催のお知らせ

■清水寺 圓通殿
前期: 10月29日(水)~10月31日(金)
後期: 11月2日(日)~11月4日(火)

■薬師寺 食堂・西僧坊
会期: 11月12日(水)〜11月14日(金)

■増上寺 慈雲閣
前期: 11月18日(火)〜11月20日(木)
後期: 11月22日(土)~11月24日(月・祝)

京都を代表する古刹、音羽山・清水寺において、日本文化の復興、普及活動を根幹に、今を彩る多様な芸術作品を展覧してきた「藝展 ―GEI-TEN―」。

ユネスコ世界文化遺産に登録されている清水寺での開催は、これまで多くの好評のお言葉を頂戴しており、この度、第五回を迎えます。

本年は、2024年元日に発生した能登半島地震で被災された方々の平穏と、被災地の復興を願って、テーマを「祈り」としました。

6世紀半ばの仏教伝来より、神仏への信仰心を説いてきた日本の寺社仏閣では、祈りの対象として仏像や仏画を安置。私たちは今日も、その貴重な歴史や文化財に触れることができますが、欧化政策が進められた明治時代は、こうした日本の文化財が軽視された時代でもあったのです。

その保護に努め、古社寺保存法(後の文化財保護法)の制定を後押しした人物に、アメリカ人哲学者アーネスト・フェノロサがいます。フェノロサは奈良で見た破損仏に対し、欠損した彫刻にも美が宿ると日本人とは異なる価値観で芸術を評価しました。

第五回展では、そんなフェノロサが大小の屋根がリズミカルに重なり合い、まるで音楽が形となって凍結しているかのようで「凍れる音楽」と表現し称えた、国宝・東塔がある奈良の薬師寺や、また収蔵する木版の仏教教典「三種の仏教聖典叢書」が、本年4月、ユネスコ世界記憶遺産に登録された徳川将軍家の菩提所・増上寺、そして清水寺の3寺を会場に開催いたします。

心の安寧を願い人々に寄り添ってきた日本の古刹を会場とする本展が、文化を守る心を育み、被災地への祈りが溢れる清らかな空間となれば幸いです。皆様のご来場をお待ちしております。